dendenkinoko’s diary

ほっつき歩いたところ、たべものなどの写真を貼って参ります

金継ぎ

1年振りの更新です。
金継ぎ(※)をしたので工程の記録をば。

※割れたり欠けたりした陶磁器を、漆で補修して金粉で装飾する方法。

f:id:dendenkinoko:20180324100213j:plain金継がれるものたち。家にあった妖怪皿と、友人からの預かり物。

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初めに、欠けや割れがある部分に生漆を塗り、その後の工程で盛る材料のくっつきを良くします。

f:id:dendenkinoko:20180324102321j:plain最初はカブレを警戒してゴム手袋をつけて作業してました…

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一日掛けて乾燥。

ちなみに、漆の乾燥のメカニズムは、水分が抜けるだけという単純な話ではないようです。漆の主成分ウルシオールが、副成分ラッカーゼを触媒として空気中の酸素と重合反応を起こすことによるものとのこと。高温多湿ほど硬化に適した条件です。

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割れた破片を接着する材料は、ご飯粒を潰したものと漆を混ぜたもの。

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欠けた箇所を埋める材料は、砥石の粉(砥の粉)と漆と水を混ぜたもの。写真は砥の粉。

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欠けた部分に盛っていきます。面倒くさくなり手袋しなくなりました…

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漆、砥の粉、水分の量の調整が難しく、3度目でようやくうまくいきました。

f:id:dendenkinoko:20180324102354j:plain割れもこの通り。

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一週間乾燥させ、補修が不十分な箇所は追加で盛り→乾燥を繰り返します。凹みが十分補修出来たら、やすりがけして形を整えます。
そして形が整ったら再び漆を薄く塗り、その上から金粉を蒔きます。

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こんな感じ。

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妖怪皿もこの通り。

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更に乾燥させて出来上がり。仕上げはまだまだ改善の余地ありです。


自分は漆負けしない体質だと思い込んでいたのですが、作業が終わった1週間後から全身地獄のような痒みに襲われだしました。3週間経過した今も新たなカブレが発生し続けています。何度か漆作業を繰り返すと抗体できるみたい。

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